春夏草木考 イワウメ

(2020/8/18 岩木山)
(2021/6/26 北八甲田・大岳)

岩梅(いわうめ)

イワウメ科イワウメ属/常緑小低木


高山帯の“岩場”に生息する“梅”に似た小さな白い花を咲かせる低木なので『岩梅(いわうめ)』。


植物の分類を見ていたら、6月の八甲田や森吉山で咲いていたイワカガミ(岩鏡)の花も同じイワウメ科となっている。
イワウメは常緑低木だが、イワカガミは多年草。それが同じイワウメ科とな?
方や木で方や草。見た目もまるで異なっていても同じ仲間ということがあるんだなぁ…草と木は実はそれ程大した違いではないのではないか?
この間、草木花を観察し調べていて感じていたことなのだけど…

草本には地下茎で繋がって繁殖するものと、種で一粒つずつ分かれて繁殖するものがある。樹木は幹と枝で一つ一つの花が繋がっている。花一株・木一本単位で一つの命と私達は考えがちだが、花一つ一つの作りには種子植物や地下茎の一つの花も樹木に咲く花も、それ程大きな違いはないように思う。
花の一つ一つが一個の生命であると同時に、枝や地下茎や種の中の遺伝子で繋がっている繋がり全体が一つの生命の姿なのではないか。

生命の営みは子孫を残し拡がっていくことで、綿々と紡がれていくもの。
一つ一つの花・株は芽吹いて咲いて葉を広げ、交配して子孫を残し萎れて枯れる。しかし季節が巡るとまた再び種や株や芽から新しい生命が誕生する。そうして個々の生と死は繰り返され、生命は続いていく。
本当の生命の終わりとは、群れ全体として子孫を残せなくなり繋がりが途絶えたときだろう。


花言葉:春の使者


…夏でも雪が残る涼しいところでは8月になっても咲いてはいます。


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