秋の七草から クズ

(2020/8/8,25 青森市)

葛(くず)

マメ科クズ属/蔓性多年草

日本古来からある一文字訓読みの草花で秋の七草の一つ。
万葉の昔、大和の国(現在の奈良県)の吉野川上流の"国栖(くず)"という地域が葛粉の産地で、国栖の人がこれを売り歩いたことで広くクズとよばれるようになったという説がある。「葛」の字は古代中国名から。

根からはたくさんのデンプンが採れ、これで作ったのが「葛切り」「葛餅」。「葛根湯(かっこんとう)」という漢方の風邪薬の原材料にもなる。
他にも、繊維は糸として縄文時代から布の材料等にも用いられてきた。

万葉集より
このように古来から人々の暮らしに馴染み深い植物として愛されてきた葛に関して、万葉集には20種近くある葛(くず)を題材にした歌が収録されている。その中から3首ほど

 萩の花、尾花、葛花、なでしこの花
 をみなへし、また藤袴、朝顔の花
  (山上憶良)

 真葛原 なびく秋風 吹くごとに
 阿太(あた)の大野の 萩の花散る   
  (作者不明)

 大崎の 荒礒(ありそ)の渡り 延(は)ふ葛の
 ゆくへもなくや 恋ひわたりなむ
  (作者不明)

花言葉:活力/芯の強さ/治癒/思慮深い/根気/努力/恋のため息

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