葉まで美しい ヨツバシオガマ

(2020/7/23 秋田駒ケ岳)
(2022/7/3 北八甲田連峰)

四葉塩竈(よつばしおがま)

ハマウツボ科シオガマキク属/多年草

“四葉(よつば)”は、葉が茎に4枚ずつ段々に輪生していることから来る。
“塩竈(しおがま)”は、花だけでなく“葉まで→浜で”美しいということから、海辺で趣のある“塩竈”(海水を汲み入れて塩を精製するかまど)の景色に掛けて"塩竈菊(しおがまぎく)"と呼ばれるようになった、洒落ネーミング。
合わせて『四葉塩竈(よつばしおがま)』。

…"塩竈"が美しい?と言われても、現代人の私には全然ピンとこない。
古代縄文時代後期頃から、四方が海で囲まれていた日本列島では、塩作りは海藻を利用して海水に含まれる塩分を集めて釜(竈)で煮出して取り出す"藻塩"と呼ばれる技法が使われてきた。この竈がいくつも敷かれた海浜…"塩竈"の美しさというのは、現代では失われた風景と言って良いだろう。
宮城県塩竈(釜)市がかつて和歌の枕詞の地として良く知られていた頃に、塩竈の美しい海岸を想起してつけられたのでは?という見解もある。
以上は"シオガマギク(塩竈菊)"の話。

ヨツバシオガマの話に戻る。
ヨツバシオガマの花は北東北の山では初夏6〜7月頃に、陽当たりの良い湿り気のある草むらや砂礫地・岩場の上に咲いているのが、ちょうど見頃を迎える。
湿原や礫地一面に群落を形成していることもあり、確かに美しいと思う。
(2022/7/3 北八甲田連峰)
八甲田連峰等の北日本の山で見られる大型のヨツバシオガマを「八甲田塩竈(はっこうだしおがま)」と呼ぶこともある。

花言葉:誘惑

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