爆(は)ぜ散(さん)ず トキワハゼ
常磐爆(ときわはぜ)
葉っぱが枯れずに年中ついているところから"常葉(ときは)"→字を転じて"常磐(ときわ)"。果実が弾け飛んで種を撒き散らすところから"爆(は)ぜ"。合わせて『常磐爆(ときわはぜ)』。
花の形が魚のハゼに似ているから?と思ったが、そうではないようだ。
花期は初春から晩秋までと、葉に負けず劣らず長い。普段は匙型の葉を根本から拡げた状態で生えているが、諸条件が揃ったときに花茎を伸ばして花を咲かせるようだ。
日本各地の畑や道端の草むらに生える。自然そのものといった環境よりも、多少人間の手が入った開けた林道や緑地や畑の草むらを好むようだ。
私が見つけたのは初秋、街中の緑地公園の芝の中。同属の”ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)”に花の姿が大変似ていて、最初にこの花を見たときはそれかなと思ったが、ムラサキサギゴケに見られる株と株とを繋いで地表に伸びるランナー(匍匐枝)がなく、花一株一株がそれぞれ独立して生えているところからや、葉っぱの形が円いヘラ型であるところから、改めて調べ直してトキワハゼと同定した。
ふたつの写真を並べて比べて見ると、草本の大きさもムラサキサギゴケと比べると気持ち小振りで、花弁の色もムラサキサギゴケは全体的に薄紫色がかっているが、トキワハゼは根本が少し濃い紫で花弁の先半分は白いツートーン。蕊のある真ん中は濃い黄色の斑点がついてアイキャッチになっているのは一緒。
花の後、果実が弾けて=爆(は)ぜて種を跳ばす。
ちなみに、トキワハゼとムラサキサギゴケとは同じサギゴケ属だが、ハエドクソウ科とサギゴケ科と科が違う。これは元々同じハエドクソウ科(APG体系※遺伝子に基づく分類)だったがムラサキサギゴケが後にサギゴケ科として独立した為。
花言葉:いつもと変わらぬ心
年中、葉をつけて、いつでも花が咲いているところからつけられた花言葉だろう。
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