杜の繁縷 ミヤマハコベ

(2023/5/13 青森県大鰐町)

深山繁縷(みやまはこべ)

ナデシコ科ハコベ属/多年草


山に咲く”繁縷(はこべ)”なので『深山繁縷(みやまはこべ)』。

”深山”と名がついているが多くの“深山シリーズ”…ミヤマオダマキ(深山苧環)他…と違い高山帯ではなく、もっと標高の低い山の森林の脇の草むらなどに生えている。

見つけた群落は神社の裏山の杜の脇。


同じく山のハコベの仲間の”サワハコベ(沢繁縷)”と似ているが、5枚の花弁の先の裂けが深く、一見すると10枚の花弁のようにも見える。

”ハコベ(繁縷)”の由来については”コハコベ(小繁縷)”の頁で書いているのでそちらを参照のこと。

…まずい、これで書くべきことは書き尽くしてしまったかも…と思ったが、さらに調べてみるとハコベの由来について、まだいくつかの仮説があったので紹介する。

・”葉配り(はくばり)”が転化した説。

・茎から出る白い糸を”帛(はく)”=絹糸に見立て、”群がる”を意味する古語”べら”をつけて、”帛(はく)べら”説。

・中国語の”繁縷(ハンルイ)”の音が変化した説。

・二股に分かれた茎に小さな葉が付いて、まるで小さな飾り袴を腰に穿いているようであるところから”穿く・佩く(はく)” + 股の外側に付いた葉っぱを意味する、”花弁(はなびら)”や"草片(くさびら)"の”びら”と同じ言葉とする説。

とまあ、色んな説があるものだが、これが決定打と言える説はまだないようだ。


花期は5〜7月頃。

茎は地面を這い広がり、花を掲げる茎は背丈10〜15cm程のところまで伸びる。

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