元は西の山の花 ヒメフウロ

(2021/5/25,6/1 青森市内)

姫風露(ひめふうろ)

フウロソウ科フウロソウ属/
一年草または越年草

小柄で可愛らしいことを意味する"姫"を冠した"風露草"なので『姫風露(ひめふうろ)』。

ユーラシア大陸や北アメリカ大陸に広く分布する植物だが、日本の天然種は滋賀県の伊吹山(標高1377m)や鈴鹿山脈北部の霊仙山(標高1094m)、岐阜県の養老山地北部、四国の剣山(標高1955m)や石立山(標高1707.7m)といった、一部の山岳地帯に分布する貴重な希少種(レッドリストにも掲載)。

高山の日当たりの良い石灰岩地質に生え、その逞しい生命力の為か、園芸用として人の手によって栽培されたものの種が逃げ出して野生化・帰化し、今では日本各地の街の道端のアスファルトやコンクリート、セメント(原料に石灰石が含まれる為か)の隙間から生えているのを見かける。街に生えて咲いているのは外国から持ち込んだものの子孫で外来種ということになる。

独特の匂いが塩を焼いた時の匂いに似ているところから"シオヤキソウ(塩焼草)"の別名もあるというので、今度、近所で見かけたら匂いを嗅いで確かめてみたい。

以前調べた時はよく分からなかった"風露草"の由来だが、"風露"は木で囲まれた草刈り場を意味する言葉で、"草が刈られると風に曝される"ところから。
確かに、このヒメフウロも含めたフウロソウの仲間(ゲンノショウコ、ハクサンフウロ、チシマフウロ等)は、どちらかと言えば陽当たりの良い場所を好む傾向があるようだ。

「医者泣かせ」の薬草としても知られ、海外では昔から下痢の薬や肝臓等の機能改善薬等々に用いられてきた。そのエキスは美肌効果を謳う化粧品等にも用いられて売られている。

花期は5〜7月ごろの初夏から夏にかけて。

花言葉:静かな人/人知れずの愛

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