星に願いを ニラ
(2022/9/10 青森市)
韮(にら)
ヒガンバナ科ネギ属/多年草
古事記には"加美良(かみら)"、万葉集には"久々美良(くくみら)"、正倉院文書に"彌良(みら)"とあり、これらは全てニラのこと。
葉が平たくて細長いところから、"美良・彌良(みら)"とは"芽平(めひら)"を縮めたものか。
ミラの頭につく"加(か)"や"久々(くく)"は、"香(か)"、つまり、ニラ独特の香りを意味すると考えられている。
かつてはミラと呼ばれていたものが、音が転じて"ニラ"となった。
「韮」の字は、地面から真っ直ぐ何本も生え揃った葉の様子を表したもの。
というわけで、『韮(にら)』。
中国大陸原産で、弥生時代頃に日本に入ってきた史前帰化植物だと思われる。
女房言葉(宮中で仕える女中達が使った隠語)で"フタモジ(二文字)"と呼ばれる。因みに"ヒトモジ(一文字)"は葱(ねぎ)のこと。
その他にも、ジャマ(新潟)、ニラネギ(韮葱/静岡)、コジキネブカ(乞食根深/愛知・岐阜)、トチ(奈良)、ヘンドネブカ(遍路根深/徳島)、キリビラ・チリビラ・キンピラ・ンーダー(沖縄)など、全国各地の土地々々の名前があると言う。
ニラ玉やニラレバなどの料理に使われる、言わずと知れた香味野菜の一つだが、畑だけでなくあちこちの道端や草むらに生えて雑草化しており、うちの近所を散歩がてら手軽に収穫可能な野菜ナンバーワン。
ただ、間違えて毒のあるスイセンの葉を採って食べてしまうケースも多いと聞く。葉の太さが全然違う(ニラはスイセンの葉の半分以下の太さしかない)し、ニラ特有の匂いもしないのだが、区別がつくまでは十分気をつけて。
花期は初秋の頃(8〜9月)。
山のセリ科の花々に少し似た、星の形をした小花をたくさんつけた、花火がパチパチ弾けたような花序つける。
花言葉:多幸/星への願い
幸せを呼ぶ星らしい。
0コメント