どちら様? サマニヨモギ
(2021/7/23 早池峰山)
様似蓬(さまによもぎ)
キク科ヨモギ属/多年草
北海道日高地方に“様似(さまに)"という名前の町があり、その様似に生えていたモノが標本化された、ヨモギ属の植物なので『様似蓬(さまによもぎ)』。
最初にこの花の名を知った時は「どんな由来なのか、どちら様かに似ていたりするのだろうか…」とも思ったが、調べてみるとその由来は、別にどちら様に似ているわけではなく、花の名前ではよくある、標本化された地名+種名というモノだった。
ちなみに“様似町”の名前の由来は、アイヌ語の"サンマウニ"(朽ち木のある所の意)から。
実際の生息分布域は、国内では北海道の他、東北北部の早池峰山と八幡平の茶臼岳・源太ヶ岳。高山帯の岩場や砂礫地、乾いた草地に生育する。
海外では、サハリン・千島列島・カムチャツカに分布し生息している。
このような、ポツポツとした花の生息分布を見ると、地球の温暖期⇄寒冷期(氷河期)の変化に合わせて生息域が移動していって広がったり、逆に後退に合わせて一部の山岳地帯にだけ取り残されたり、という変動による変遷の痕跡が垣間見れて、面白い。
その種を運ぶのは風か昆虫か鳥か小動物か、はたまた人間か。それもまた、気候の変動によって移り変わっていく。
花期は7〜9月。
真っ直ぐ伸びる茎に沿って、短い小枝をぴょんぴょんと上に伸ばして、その先に、小さな向日葵に似た花がポンポンと連なって咲く姿が、どこか原始的。
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