母から子へ ハハコグサ
(2022/7/2 青森市内)
母子草(ははこぐさ)
キク科ハハコグサ属/一年草
生毛が密集している様を、“ほほ(お)ける“と言い、仮名では「ははける」と書く。これは恐らく、ヒトの頬に生える髭の生毛のことだろうと思われ、“頬毛る“の意か。
茎葉全体に生毛が密生して、花の冠毛もほおけ立っているこの花の姿から“ほほ(お)こぐさ“と呼び、かなで「ははこぐさ」と書くところから、それが転じて『母子草(ははこぐさ)』となったとされている。
他にも、
白い綿毛の上に黄色い小粒のような花が咲く様を、母が幼子を抱く姿に喩えたところから名付けられたという、ロマンチックな説。
奈良時代の中国の古い植物書「新修本草」にハハコグサに「蘩ハン(草冠に白と番) 蒿」という名をつけていて“ハンハンコウ“と読む。これが転訛して“ハハコグサ“となった、古代中国語由来説。
等がある。
花期は4〜7月初め頃までで、日本全国に広く分布し、道端や空き地等に生える。
弥生〜古墳時代頃に朝鮮半島・中国大陸から入ってきた史前帰化植物と考えられているが、いつ頃入ってきたのかによって名前の由来も分かれるところ。
或いは、縄文時代頃からの往来による、日朝中共通の名前だったのかも知れない。
春の七草の一つ「ゴギョウ(御形)」とは、このハハコグサの古名で、早春の若草は、粥に混ぜたり、餅に混ぜて草餅として食べられる。現在は草餅の材料はヨモギ(蓬)で代用されるが、“蓬“の字にも“ほおける・ほうけ立つ“という意味・読みがある。
北東北では春というより、初夏を迎え、少し暑くなってきた頃に咲く。
その他にも、アワゴメ(粟米)、ウサギノミミ(兎の耳)、ホウコ、マワタソウ(真綿草)、キャアロツリクサ(蛙釣草)、コウジバナ(麹花)、モチグサ(餅草)などの様々な地方名がある。幼体はカラスノオキュウ(烏のお灸)と呼ばれることもある。
花言葉:いつも想っています/忘れない/無償の愛
“母子“の字から連想されたものが多い。
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