お米の国の コメバツガザクラ
(2022/6/10 北八甲田連峰)
米葉栂桜(こめばつがざくら)
ツツジ科コメバツガザクラ属/常緑小低木
葉の形や大きさが米粒のような、小さな栂桜(つがざくら)なので『米葉栂桜(こめばつがざくら)』。
…ということになるのだけど、”ツガザクラ”は葉の形が栂(つが)の木の葉のようにツンツンしているところから付けられた名前。
その頭に、わざわざ葉の形は”米葉”とラベリングしながら、”栂”も隠されずに両方表記されているのは「どっちやねん」的感が大いに残る。
ツガザクラの花は釣鐘・ベル型だが、コメバツガザクラは壺型。岩木山で見られるエゾノツガザクラは壺型で、花の形はこっちに近い。
とまあ、ツガザクラとは葉も花も異なる点が多く、属も別系統に分かれているところから、敢えてツガザクラの名前をいただかなくても良かったように思う。
この他にもツガザクラの名を持つ花は色々あるが、分類状の属はそれぞれ独立しているモノが多い。
葉の形や大きさ自体が一番似ているのは、並んで生えていることがあるミネズオウ。初夏(山では春)に、同じ時期に同じ場所(高山の岩場)で並んで咲き、花の違いは一目瞭然なので比較しやすい。
コメバツガザクラの葉の方がほんの少しだけ丸みが強くて、3枚ずつ輪生している。お米色の小壺の花も、3つずつ輪生してぶら下がっている。
左:米葉栂桜 右:峰蘇芳
(2022/6/18 北八甲田連峰)
別名を「ハマザクラ(浜桜)」。
北方のカムチャッカ半島や千島列島では、標高がずっと低い浜に近い岩場にも咲いているのだろう。
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