色、色々 ミネズオウ

(2022/6/23 秋田駒ヶ岳)
(2022/6/18 北八甲田連峰)

峰蘇芳(みねずおう)

ツツジ科ミネズオウ属/常緑小低木

その名の由来は、その葉が、一位(いちい)の木、別名・蘇芳(すおう)の木の葉に似ているところから、高い峰に咲く蘇芳なので『峰蘇芳(みねずおう)』。
はて? なぜ、"峰一位(みねいちい)?"ではないのだろう? イチイの方がポピュラーな呼び名なのに…
調べて見ると、スオウという名のインド・マレー諸島原産のマメ科の木が別にあり、その木から採れる、黒みを帯びた赤色の名を「蘇芳色(すおういろ)」と呼び、奈良・平安時代の貴族社会の間では大変に愛好されていた。
南国原産のスオウの木など生えていない日本の地域では、スオウの木の代用として、より身近な山の木であるイチイから、蘇芳色の染料を採取していた。
その為、その仕事を生業とする山間地域の人々の間で、イチイの木のことをスオウと呼ぶようになったのだろう。蘇芳色の採れる木なので"スオウ"と呼ぶ、という理屈。
かたや、ミネズオウは中部地方以北の、森林限界を超えた高山の岩場等に生えている。
高山植物であるミネズオウに、イチイではなくスオウの呼び名を充てたのは、その麓の山で暮らす人々が、イチイから蘇芳の染料を採り、イチイをスオウと呼ぶ、そんな山間地域の人々(又はそこの出身者)だったからではないだろうか。

イチイの木の枝先に赤い実がつく様子などは、枝先にピンク色の花を咲かせるミネズオウと似ている。
雪渓がまだ残っている頃の山の尾根等に、極小型のツツジ科の花にしては珍しく、ヤマツツジやムラサキヤシオにも少し似た、ラッパ型の直径1cmほどの小さな花を上向きに咲かせる。

花言葉:愛らしい

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