歩いても〃〃 タカネスミレ

(2022/6/23 秋田駒ヶ岳)

高嶺菫(たかねすみれ)

スミレ科スミレ属/多年草

標高が高く、草木も生えないような岩場や砂礫地に生え、花を咲かせる菫なので『高嶺菫(たかねすみれ)』。

姿形は、近縁種のキバナノコマノツメに大変良く似ている黄色い菫で、漠然と見ていてもその違いは分かりにくい。実際に並べて見比べて見て、ようやくその違いに気づくレベル。
キバナノコマノツメよりも下唇が少し幅広で短いのかな?等、花にも細かい特徴と違いがあるようだが、見た目の一番の違いは葉っぱ。
キバナノコマノツメの葉は、ほぼ平らな皿型だが、タカネスミレの葉は、少しすぼまって円錐形になり、さらにほんのり光沢がある。そして少〜し肉厚。


その違いは、好んで生息する場所の環境の違いによるものだろう。
草むらを好むキバナノコマノツメと違い、草も生えなさそうな、乾燥した岩場や砂礫地にタカネスミレは咲いている。
強い風に負けないように平たい葉を円錐形に巻きすぼめ、厚みも少し肉厚にし、強い日射を反射し、水分が飛びにくいよう葉の表面を光沢で覆っている。
そして、溶岩や岩・石がゴロゴロとして、水捌けが良く崩れやすい土壌に根付くように、根を長く伸ばし、地下に匍匐枝を横に這わせて、隣の兄妹たちと繋がり合っている。

6月中旬頃、秋田駒ケ岳の黒い火山礫で覆われた焼砂・焼森の斜面一面に大群落を作る。登山道を歩いても歩いても、タカネスミレの黄色い花畑が広がる。
タカネスミレの花が終わると、今度は入れ替わるように、コマクサ(駒草)のピンク色とエメラルドグリーンが覆う。
(2022/6/23 秋田駒ヶ岳)

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