風に吹かれて チシマフウロ
(2021/6/6 白神岳)
(2021/7/23 早池峰山)
(2022/6/12 白神岳)
千島風露(ちしまふうろ)
フウロソウ科フウロソウ属/多年草
北海道の北東の海上に連なる、千島列島(ロシア名:クリル諸島)で咲いているところから、「千島」の名を冠するフウロソウ。
実際は、東北の山々でも、森林限界付近の草原地帯で咲いている姿を見ることが出来る。冷涼な北の海に浮かぶ千島では、低山でも咲いているのだろう。
森林限界(背の大きな木による森林が形成される標高)は、日本列島では日本アルプス中央部や富士山で約2500~2800mほどだが、北に行くほど下がっていき、東北地方で約1200~1600m、北海道の大雪山や日高山脈で約1000~1500m、北海道の利尻島で標高約500m、千島列島では標高300 m程度にまで下がってくる。これに併せて、高山植物等の生息する標高域も下がってくる仕組み。
で、"フウロソウ"の「風露」だが、この由来はよくわかっておらず、江戸時代の庭師や花屋由来ではないか、とも考えられているが、いつからか、この花の仲間は「風露草(ふうろそう)」と呼ばれるようになった。
ちょっと雑だが、というわけで併せて『千島風露(ちしまふうろ)』。
雄しべ雌しべが、花の真ん中にきゅうっと柱状に集まって、青紫色や薄紫色の放射線状に筋線の入った5枚の花弁を、いっぱいに広げて咲いている。高山の草原に咲く、小さなハイビスカスやフヨウの花のよう。
高原の涼しい風に吹かれ、冷たい露に濡れる美しい花。差し詰め、そんなところかも知れない。
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