結んで開いて フデリンドウ

(2022/5/5 青森市浅虫)

筆竜胆(ふでりんどう)

リンドウ科リンドウ属/越年草

花弁が閉じた状態が筆の穂の形に似ているところから、『筆竜胆(ふでりんどう)』の名前がついた。

花期は4〜5月。山中の比較的日当たりの良い場所に青紫色の花を咲かせる、春咲きの小さなリンドウ。

リンドウの仲間は、陽の光が差し込んで温かいときには花の先を開くが、陽が当たらなくなったり気温が下がると花弁を閉じてしまうことが多い。
その他にも、気温や日射で花弁を閉じたり開いたりする花は多いが、これを「傾性運動」と言う。
そのメカニズムの例はこうだ。

陽が当たると、花弁で包まれた内側の温度が外気温より高くなり、花弁の内側の表皮細胞の成長が、外側の表皮細胞の成長より速くなることによって花弁が開く。
陽が翳り、気温が低くなると、その逆に花弁の外側の表皮細胞の成長速度が内側のそれを上回り、花弁が閉じる。
ほんの僅かな差だが、花弁を動かすにはこれで十分。
この開閉によって、受粉を媒介する虫の動きが活発な、明るく暖かい時間帯には花弁を開いて受粉を促し、虫の動きが鈍る、暗く寒い時間帯には雄蕊雌蕊を守る為に花弁を閉じることになる。
植物の不思議な仕組み。
花言葉:高貴/誠実/真実の愛


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