恋せよ乙女 ヒナザクラ

(2021/7/4 南八甲田連峰)
(2022/6/22 秋田駒ヶ岳)

雛桜(ひなざくら)

サクラソウ科サクラソウ属/多年草

その花の形を“桜”の花に例えて、“桜草(さくらそう)”と呼ばれる草本の仲間で、その中でも大きさが小さく、可愛らしいところから“雛(ひな)”の名を冠して『雛桜(ひなざくら)』。

冬は雪深い東北の山々(南は福島の吾妻山から北は青森の八甲田連峰まで、奥羽山脈又はそれに近接する高山〜亜高山帯)で、雪が解けた後の新緑の草原や湿原に、白いハート型の5枚の花弁で中央の蕊のところが黄色い、小さなラッパのように花を開いて雪解けの喜びを奏でているかのように咲き誇る、東北の代表的な高山植物の一つ。

ちなみに、ヒナザクラのない岩木山にはミチノクザクラ(陸奥小桜)が、早池峰山にはヒメコザクラ(姫小桜)が、岩手山と焼石岳にはユキワリコザクラ(雪割小桜)が、それぞれ咲いている。
2種類以上のサクラソウが同じ山域に混じって咲くことはないようで、棲み分けをしているように見えるのだが…なぜ??…植物の不思議がまた一つ…

個人的には南八甲田の湿原近くを通る登山道沿いにずうっと並んで咲いていたり、森吉山の湿原地帯や、秋田駒ヶ岳の谷地を埋め尽くす大群落が見事だったのが印象に残っている。

花言葉:初恋/乙女の息吹

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