毒にも薬にも オクトリカブト

(2021/8/28 十和田市・東八甲田)
(2022/9/11 青森市・東岳)

奥鳥兜(おくとりかぶと)

キンポウゲ科トリカブト属/多年草

青紫色の一見すると花びらのようだが実は萼の(萼の中に本物の花がある)、その形が古来の能楽や舞の衣装の"鳥兜・鳥甲(とりかぶと)"と云う被り物に似ているところからその名がつけられた。
ヨーロッパでは僧侶の被り物や騎士の兜に例えられると言う。

東北〜道南の山地・高原等に自生する種は"陸奥(みちのく)"の"奥"を頭につけて『奥鳥兜(おくとりかぶと)』。

言わずと知れた毒草。
全草に強いアコニチンという神経毒を持つが、特に毒が強いのは根の部分。
ここから抽出した神経毒は、アイヌが矢尻の先に塗って体調2m・体重200kg以上になるヒグマ狩りに用いたと言う程、強力なもの。
これを弱毒化させた"胕子(ぶし)"と言う漢方薬もある。毒と薬は紙一重か。

受粉は昆虫が行い、蜂も普通にトリカブトの花に吸蜜に来るが、昆虫にとってはこの神経毒は全くの無害。
このハチミツも人(哺乳類)にとっては勿論、死に至る毒になるので、養蜂家はトリカブトが咲く秋になると蜂蜜を集めないという。

花言葉:騎士道/栄光/人嫌い/厭世家/復讐

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