夏の終わり オクノミズギク
(2020/8/14 八甲田山)
オクノミズギク(奥の水菊)
キク科オグルマ属/多年草
湿地・湿原などの"水"辺に生える"菊"なので「水菊(みずぎく)」。
そのミズギクの主に青森の八甲田山系で見られるタイプなので、青森&岩手県北地域の旧国名"陸奥(みちのく)"から“奥の”を冠につけて『奥の水菊(おくのみずぎく)』か。恐らくは俳聖・松尾芭蕉の「奥の細道」と同じような名づけ方ではないかと思う。
北八甲田連峰の最高峰・大岳(標高1,585m)から降りてきて、広い湿原地帯である毛無岱の下の端、森林帯に入る手前の辺りで咲いていた。水面からすうっと一本の茎を伸ばして周りのキンコウカよりも少し背が高いところで、黄色い菊の花を茎一本につき一輪ずつつけていた。
湿原の向こうのアオモリトドマツの木の上では、ホシガラスが松の実を食べながらギョーギョーと鳴いていた。
短い山の夏の終わりと、色めく秋の訪れを感じるひととき。
振り返り歩いた道のおくの水菊 (自作)
0コメント