和紙漉きに ノリウツギ

(2022/7/18 青森市・田代平湿原)
(2020/8/23 青森市・田代平湿原)

糊空木(のりうつぎ)

アジサイ科アジサイ属/落葉低木

名前の由来は、樹液を和紙を漉く際の"糊"として利用していたところから+ウツギ(空木)に似ているところから、合わせて『糊空木(のりうつぎ)』。
現在でも古来の製法にこだわって和紙を作っている工房では、ノリウツギが利用されているところもある。


全体の樹様と白い花房は、遠目にはウツギっぽく見えるが、いかにも花然としたウツギの花に比べて、ノリウツギの花はアジサイの花に似て、小さな花房の周りに装飾花が幾つか取り囲む。
実際の分類学上もウツギはウツギ属なのに対し、ノリウツギはアジサイ属と、ガクアジサイ・アジサイと同じ仲間。
開花前は如何にもガクアジサイっぽいが、開花すると、白い小花の塊がブワッと盛り上がって、ソフトクリームのように見える。花蜜の甘い香りに釣られて、たくさんの虫達が花に群がる様は、アイスクリームを食べに蟻が集まってくるかのよう。

花期は7〜8月の夏頃。高原や湿原、樹林帯〜亜高山帯のあちこちでよく見る落葉低木。
昔ながらの和紙工房の場所も、ノリウツギ等の原材料が入手しやすく水の豊富な、内陸山間部で川の近く・または湧き水が豊富なところにあることが多いようだ。

花言葉:臨機応変/移り気


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