弟の花 イワオトギリ
(2020/8/14 八甲田山)
(2021/7/17 岩木山)
岩弟切(いわおとぎり)
オトギリソウ科オトギリソウ属/多年草
標高の高い高山〜亜高山帯に生育している山野草の中には、低地の平野部や山里で咲く花の高山型として扱われているものがいくつかある。
主な育成環境・場所に応じて、「深山(みやま)〇〇」…亜高山帯や森林帯、「高嶺(たかね)〇〇」…高山帯、などの言葉が名前の頭につき、「岩(いわ)〇〇」もその一つ。字の通り岩場や礫地を好むものが多いが森林帯で咲いているものもある。
オトギリソウ(弟切草)の高山型で『岩弟切(いわおとぎり)』。
「岩弟切草(いわおとぎりそう)」と「草」まで含めて呼ぶことも。
印象的な名前の由来は、次に記す、ある伝説物語から来ていると言う。
今は昔、時は平安時代、花山院の御世のこと。
晴頼(はるより)といふ優れた鷹匠あり。傷を負ひたる鷹に、薬草をもちひて立ちどころにその傷を治したり。
仲間の鷹匠達が尋ねても、晴頼は頑として答えず。
然るに晴頼に弟あり。この弟に迫りて尋ねたるに、薬草の秘密を洩らしたり。
それを聞きし晴頼怒りたり。怒りのあまり弟を刀にかけて殺めたり。
この薬草、後世に『弟切草』と呼ばれたる由縁なり。
兄と弟の恋愛のもつれからの刃傷沙汰、という別バージョンの話もある。
実際、弟切草の茎と葉には止血効果があり、「小連翹(しょうれんぎょう)」と言う別名をもつ漢方薬。
花言葉:迷信/敵意/秘密/恨み
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