鏡に猫…別名etc. カタバミ

(2023/9/18 八戸市内)
剣のように立っているのは種子の鞘
(2023/9/30 青森市内)

酢漿草(かたばみ)

カタバミ科カタバミ属/多年草

"カタバミ"の日本語読みに準じた漢字表記は『片喰』となるが、他に、全草にシュウ酸を含み噛むとかなり酸っぱい味がするところから、お酢のように酸っぱい汁(漿)の意味で中国語表記である『酢漿草』の字を当てることもある。

※『片喰(かたばみ)』の由来については、ヒョウノセンカタバミのページに記載↓
他に別名・地方名として、
「すいば(酸い葉)」や「しょっぱぐさ(塩っぱ草)」「すいものぐさ(酸いもの草)」…酸っぱいところからのバリエーションの他、
「かがみぐさ(鏡草)」…かつて酸化した金属を溶かすシュウ酸の作用を利用して鏡を磨いたことから付けられたものだろう
「ねこあし(猫足)」…匍匐枝に連なるようにつく三つ葉を猫の足跡に喩えたか?
「すずめぐさ(雀草)」「すずめのはかま(雀の袴)」…花が小さいから?袴は葉の折り目からの連想か?
などなどがあり、全て合わせるとなんと180種以上にものぼると言う(「日本方言大辞典」1989年発刊より)。

花期は5〜9月と大変長いが、ここらでは春〜初夏には別のカタバミ(オッタチカタバミ?)等を多く見かけ、秋にはこの小さくて黄色い花を咲かせる本家カタバミが咲いているのを多く見かけるように思う。その土地土地の植生などの環境によって適宜時期をずらして咲く、といった感じか。
世界中に広く分布し、日本では北海道を除く全土に生えている。
畑や庭、道端の草むら等で見られる。
背は低く茎は地面を這うように伸び、葉はハート型の3枚葉で真ん中から折り畳める(夜には葉を畳む)、黄色い5枚花弁の漏斗状の直径3cm程度の小さな花を咲かせる。

昔から人里に広く生えている為に、人との関わりも深く、別名・地域名が多いのもその一つ。
食用としても用いられ、熱湯で湯掻いて食べる。食べ過ぎなければシュウ酸の影響は多分、大丈夫。だろう…
薬用としても用いられ、効能は皮膚病・腫れ物・虫刺され等。
また、「片喰紋・酢漿草紋」等として家紋にも使われていて、繁殖力の強さから子孫繁栄・家が絶えないよう願いを込められていると言う。

花言葉:輝く心

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