うぐらもぐら オククルマムグラ

(2023/6/11 青森市・東岳)

奥車葎(おくくるまむぐら)

アカネ科ヤエムグラ属/多年草

「葎(むぐら)」とは"広い範囲にわたって生い茂る雑草"の意。ウグラやモグラとも言われる。漢字の「葎」は草冠+律(ならぶ)の意。
ここから、雑草となって生い茂っていることの多いアカネ科フタバムグラ属の草本に、"ムグラ"と名のつけられた植物・草本のグループが植物分類学上で形成されて行った。
そのムグラの仲間で、葉が茎に輪生する様を"車"に喩えて、合わせて「車葎(くるまむぐら)」。

さらに山の奥地に多く見られるので『奥車葎(おくくるまむぐら)』。命名者は植物学者の奥山春季(1908-1998)だが、御本人の名字から一文字とったのかも…


花期は初夏6〜7月頃。山奥の林や森の中に生えている。
白い小さな花が茎の先に数輪つくが、4枚の花弁の形は少し丸く窄む杯型。
葉は6枚ずつ数段に渡り茎に輪生する。茎に四つの稜があり小さな刺があるので触るとざらっとする。
よく似た花に、同属の”クルマバソウ(車葉草)”や”クルマムグラ(車葎)”があり、生えている場所・季節も重なるのでややこしい。
それぞれの違いとしては、花弁が丸く反る漏斗型なのがクルマバソウで、葉の幅も狭く枚数も7枚以上あることが多い。クルマムグラとオククルマムグラの葉の幅はクルマバソウよりも幅広で、葉の形が先細なのがクルマムグラ、ずんぐり楕円形で葉先がチョコンと尖っているのがオククルマムグラ。葉が乾燥すると黒くなるのがクルマムグラで、緑又は褐色になるのがオククルマムグラ。
実際、この花を見つけた時はクルマバソウかと思っていた。葉の幅が広くて違和感があったので、後日、調べ直してみたらオククルマムグラだった。

花言葉:復活/献身/秘密


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