毒を薬とする叡智 エンレイソウ

(2022/4/22 青森市・梵珠山)
(2022/4/24 青森市・東岳)
(2022/5/7 青森市浅虫)

延齢草(えんれいそう)

シュロソウ科エンレイソウ属 /多年草

漢字表記を見ると、いかにも縁起が良さそうな名前だが、中国ではこの草本の根を干したモノが民間薬の胃腸薬や神経の薬等として使われていて、生命を長らえさせる薬という意味の"延齢草根(えんれいそうこん)"と呼ばれていたところから『延齢草(えんれいそう)』の名前がついた。
ただ、サポニンという毒物成分が含まれるので過量に摂取すると危険。微量の毒を用いて薬とするには、正しい知識が必要なのだろう。
又、この草本自体も寿命が長く、20年近く生きるところも『延齢草』の由来になっているかも知れない。

緑色〜濃い赤紫色をした小さな花弁のように見える萼も3枚、花を中心にして取り囲むようにつく葉っぱも3枚。と、何かと3に因んだ幾何学的な形をしている。
春の低山の花として、4〜5月頃に可憐な他のスプリングエフェメラル達に混じって所々で渋い臙脂色の花を咲かせているのを見かける。
花が終わると萼の真ん中に黒くて丸い果実が成る。花も葉も実もまた、どこまでも渋味ある味わい深さ。

花言葉:奥ゆかしい美しさ/叡智


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