二輪で一つ ニリンソウ

(2021/5/4 青森市・東岳)
三輪咲のニリンソウ
(2023/5/1 青森市・梵珠山)

二輪草(にりんそう)

キンポウゲ科イチリンソウ属/多年草

一株から二つ(時々一つだったり三つだったりもするが)の蕾をつけ、二輪の白い花をほぼ同時に咲かせるところから『二輪草(にりんそう)』。


同じ春に咲くキクザキイチゲ(キクザキイチリンソウ)の仲間だが、あちらは一輪なのに対して、こちらは二輪ずつ花がつくのでニリンソウと名付けられた、スプリング・エフェメラルの一つ。
花弁のような白い萼片は5〜7枚程で、花の姿は梅や桜のよう。
稀に萼が緑色の『緑二輪草(みどりにりんそう)』もある。これはマイコプラズマウイルスに感染しているのが原因だとか。ヒト−獣(動物)だけでなく植物にも感染するとは、ウイルスの生存戦略は逞しい。
(2022/5/15 青森市・東岳)

開花期はキクザキイチゲよりも少し遅く、沢や谷などの水辺・湿地・日陰を比較的好み、よく大群落を作る。

(2022/5/15 青森市・東岳)


根茎は"地烏(ジウ)"と言う名の漢方薬として利用されるが、効用はよくわからない。
若芽は食用となり、北海道アイヌはニリンソウを"プクサキナ"と呼ぶ。肉の味を引き立てる香味野菜のような扱いで(花期の葉を摘んで噛んでみたら、独特の苦味がある)、漫画「ゴールデンカムイ」の準主役のアイヌの少女アシリパの大好物として描かれている。
但し、若葉は全草が猛毒のトリカブトとそっくりで見間違いの危険もあるとのことなので、目印の二輪の蕾が出てきてからの採取がお薦め(トリカブトはそのまま茎が延びて秋に花が咲く)。


花言葉:友情/協力/ずっと離れない


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