黄金色の杖と泡 アキノキリンソウ

(2021/8/21 北八甲田雛岳,箒場)
(2022/9/11 青森市・東岳)

秋の麒麟草(あきのきりんそう)

深山秋の麒麟草(みやまあきのきりんそう)

キク科アキノキリンソウ属/多年草

初夏から夏にかけて咲くキリンソウに似ていて、且つ秋に咲くのでそのまんま『秋の麒麟草(あきのきりんそう)』。
花房が小さい花が集まって泡立つように見えるところから、別名“泡立草(あわだちそう)”。どう転んでも黄金色の泡立つビールを連想させる名前になるのだな。

キリンソウはベンケイソウ科なのに対して、アキノキリンソウはキク科で分類学上は別の種。
アキノキリンソウ(アワダチソウ)はかつては平野部の川土手等でも普通に見られる花だったそうだが、今は外来種であるオオアワダチソウとセイタカアワダチソウに入れ替わってしまった感がある。
現在でもアキノキリンソウが元気に咲き誇っているのは、ある程度標高があり森の中を分け入っていかなければ行かれない山の中。

秋の低山の森の中を歩いているとシュルっと伸びた茎に黄色い小花を輪生させて咲いている姿を見かける。正に英名"Golden rod"(黄金の杖)に相応しい。
より深く高く山に分け入っていくと、背丈も少し低く花序が茎の上の方に固まってボンボリ状でつく傾向があり、名前も“深山(みやま)”が頭について『深山秋の麒麟草(みやまあきのきりんそう)』に変わる。

環境の違いで発達形状が異なり、別の品種としては区別しないという。
登山道を歩いていると、最初標高の低いうちはロッド型で標高が高くなるにつれて徐々にボンボリ型に変わっていくのを見ると成る程なあと思う。

8月から10月初めにかけて高山に登れば、ミヤマアキノキリンソウの黄色い花が登山道沿いや岩だらけの尾根から山頂に至るまであちこちで、風に吹かれて花房を揺らしている姿がよく映える。

花言葉:予防/用心/警戒//励まし


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