月はありや アリアケスミレ

(2021/5/14 青森市内)

有明菫(ありあけすみれ)

スミレ科スミレ属/多年草

陰暦16日以降にまだ夜空に月が有るのに夜が明けていくことを意味する"有明"。まだ暗い夜空が東の空から徐々に明るく白け始めて変わっていくように、花弁は白色を基本にしつつ菫色が差し色で入り、花によってグラデーション掛かって変化するところから『有明菫(ありあけすみれ)』。

細長いヘラ状の葉っぱなどの姿形はほぼ菫色のスミレ(菫)そのままだが、花の色だけが違う。見つけた小群落は白目の花を咲かせていた。

明治期以降に学者先生に名付けられたダラダラ長ったらしく説明っぽい植物の名前と違って、短くてもぴったりとその花の姿・特徴を捉えイメージさせて尚且つ広がりのある自然観も感じる、味わい深くオシャンティなネーミングセンス。恐らく、いにしえの歌人や文人によってつけられた名前に違いない…と勝手に推察する。
 

「潮風のアリア」くるり より

 彼方まで響き渡るようなピアノ線の音
 有明の月 永遠(とわ)の調べ

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