蘇る ハンゴンソウ

(2020/9/13 青森市・梵珠山麓)

ハンゴンソウ(反魂草)

キク科シオン属/多年草

その不思議な名前の由来は、葉の形が人が手招きする手(日本式なので手指を下向きに)に見立てて、死者の魂を呼び戻すことを意味する「反魂」という言葉から。葉の形は人の手というか、河童か何か妖怪の手のようだ。
その他にも、その強い香りで死者を蘇らせたという言い伝えがある一方で、死にかけた病人を生き返らせた(下剤として使われていた)という話もある。
既に死んでしまっている人をあの世から呼び寄せるのと、死にかけている人を蘇生させるのとでは、意味合いが結構違うのだけど…

日本の在来種で盛夏から秋にかけて山里や高原で見られ、草丈は人の背ほどに伸びる。そして、てっぺんに小さな花の集まった、ちょうど人の頭の大きさくらいの花房をつける。
こんなのが秋風にゆらゆら揺れていれば、夜な夜な提灯をぶら下げて歩いていた昔の酔っ払いには、幽霊が手招きしているように見えなくもないかも。

0コメント

  • 1000 / 1000