考える ヨシ

(2020/10/2 青森市)
(2020/9/13 青森市大釈迦)
(2021/11/4 青森市)

葦/蘆/芦(よし/あし)

イネ科ヨシ属/多年草

水辺の"浅い"ところに生えるところから転じて、若しくは、脚で立てるくらいの水辺に生える所から等々から『葦(あし)』。

元々の呼び名は"アシ"だが「悪し」と連想され縁起が悪いので、奈良時代頃から「良し」→"ヨシ"と呼び替えられるようになった。
現在はヨシまたはアシのどちらでも呼ばれる。

語源のとおり主に水辺に生えている背の高い草でススキと並んで生えていることが多いが、ヨシのほうがより水辺・湿地を好む。近所の川辺を観察すると、確かに水際にヨシ(葦)が、水際から少し離れてススキ(芒)が生えている。

日本だけでなく北半球に広く分布しており、古くからその中空構造の軽くて丈夫な茎や葉は様々な形で人間に利用されてきた。

その茎は夏暑い時期に日差しを遮るのに使う簾(すだれ)や茅葺きの屋根の葺き材、ムシロや舟の材料として。その葉は笛(葦笛)として、又は木管楽器(雅楽器の篳篥(ひちりき)。西洋楽器のオーボエ)のリードとして。繊維は紙の材料として。根は利尿・消炎・止渇・鎮吐の薬として。草本全体を田畑の肥料としてetc.

古今東西、様々な文学(神話・物語・詩歌等)にも登場する。

 「豊葦原水穂国」
 (古事記・日本書紀での"日本"の呼び名)

 我が聞きし耳によく似る葦の末の
 足ひく我が背つとめ給ぶべし
 (石川郎女「万葉集」より)

意味:話に聞いた通りに葦の先のように弱々しい足を引き摺っているあなた、早く治してくださいね。

 「人間は考える葦である」
 パスカル(思想家・数学者)

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