黄昏れ ススキ
(2020/10/24 青森市)
(2021/10/9 森吉山麓)
薄,芒(すすき)
イネ科ススキ属/多年草
秋の野の風景といえば「ススキ(薄,芒)」。漢字一文字で表す日本古来の植物。
語源は「ササ(笹)→”スス”、のような細いクサ(草)→”キ”」から『薄(すすき)』。
古くは「尾花(おばな)」とも呼ばれ、秋の七草の一つ。ふさふさした花の穂を動物の尻尾に見立てるのはエノコログサ(狗尾草)と同じ。こちらは馬の尾だろうか?
『カヤ(茅,萱)』とも呼ばれ、屋根葺きの材料としても利用されてきた。
カヤの語源は「蚊遣り(カヤリ)」が転じて。その臭気が蚊除けになると言う。
道端、川の土手沿い、原っぱ、高い山の上などいろんなところに生えている。地名にも、すすき野(札幌市)・萱野茶屋(青森市)・尾花沢(山形県)など、かつてススキが広がる野原だったのだろうと思われるものが全国に見られる。
秋の七草の一つで、万葉集の中でススキが歌われた歌は40首以上。秋を詠んだ俳句にも数多く取り上げられてきた。
秋づけば尾花が上に置く露の
消ぬべくも我は思ほゆるかも (日置長枝娘子)
意味: 秋になると尾花の上の露のように儚く消えてしまいそうな程あなたのことを思っています。
我が宿の尾花が上の白露を
消たずて玉に貫くものにもが (大伴家持)
意味: 私の庭の尾花の上の白露を消さないで玉のように貫き通せたらよいのに。
山は暮て野は黄昏の薄哉 (与謝蕪村)
花言葉:活力/心が通じる
…今年(2020年)の十五夜は、外でススキ越しに満月を眺めていたんだっけ。
(2020/10/1 青森市)
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