木偶の坊 イヌタデ

(2020/9/25 青森市内)

犬蓼(いぬたで)

タデ科イヌタデ属/一年草


役にも立たないものを意味する言葉として頭に「犬」につけた蓼(タデ)で『犬蓼(イヌタデ)』。

狭義のタデ=ヤナギタデは辛味香辛料として役に立つが、このイヌタデは辛味もなく役に立たないということから。


ワンちゃん自体は人の心を癒やす飼い犬として、また、外部からの侵入者を察知する番犬、匂いを探知することで麻薬を調べる麻薬犬、犯人の痕跡を追う警察犬、獲物となる動物を追う狩猟犬、目の見えない人の目の代わりとなる盲導犬、牧場でたくさんの羊を誘導する牧羊犬、遭難した人々を救助する山岳救助犬等など、大変人の役に立っているのだけど、花の名付け界の中で「犬」はなぜか「役立たず」の代名詞として使われる。

愛犬家の皆さんにとっては納得がいかないのではないか。「猫の手も借りたい」とあるように同じ役立たずの例えなら別に「ネコタデ」だっていいじゃないかと。私もそう思う。


さて、

イヌタデの赤い花のように見える粒々の外側は花弁ではなく萼、これは同じタデ科のミズヒキの花と一緒。この赤い花の粒々は、子どものママゴト遊びでお赤飯のお米として使われることから「赤まんま」「赤のまま」という別名がある。

ここらへんでは秋になるとあちこちの草むらや道端で、赤い小さな花の粒をつけたイヌタデをよく見かける。

これからの草紅葉も鮮やかなので、乞うご期待。


花言葉:あなたの役に立ちたい/あなたの力になりたい

役立たずと侮られ蔑まれればこその健気さがいじらしい。


自作の一句

 木偶の坊 想いそのまま 赤のまま

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