今宵の月は メマツヨイグサ
(2020/9/18,19 青森市)
雌待宵草(めまつよいぐさ)
アカバナ科マツヨイグサ属/二年草
北米原産で江戸末期〜明治にかけて日本に入ってきた外来種。
同じころ日本に園芸品種として入っていきた同じく北米産の"マツヨイグサ(待宵草)"と"オオマツヨイグサ(大待宵草)"よりも花がずっと小振り(3cm程度)なので、小さいを意味する「雌」又は「女」を頭につけて『雌待宵草(めまつよいぐさ)』の名がついた。
がしかし草丈は高く、1.5〜2mくらいになる。
夏から初秋にかけてどちらかと道端の開けたところに、ひょろっと伸びて種房がいっぱいついた茎の先に黄色の花をつけている姿をよく見かける。
日中に見ると花弁が閉じ気味なので、そういう花の形なんだろうなと思っていたが、夕方〜夜に虫の音を聴きながら散歩していていたときにこの花を見たら、パカッと黄梅にも似た花弁を開いた姿を見せていて、夜に活動する蛾が蜜を吸いに寄ってきていた。
なるほど、宵の訪れを待って花が開くので『待宵草』とは、中々に風流な趣を感じる和名の付け方。
花言葉:浴後の美人/気まぐれ
「宵待草」 作詞:竹久夢二
待てど暮らせど来ぬ人を
宵待草のやるせなさ
今宵は月も出ぬさうな
暮れて河原に星ひとつ
宵待草の花が散る
更けては風も啼くさうな
同じく夜に咲く花として「月見草(ツキミソウ)」という別の花もあるのだけど、マツヨイグサ属を月見草と呼ぶこともあり、太宰治の小説『富嶽百景』の中の有名な一説「富士には月見草が良く似合う」の月見草は実は待宵草のことらしい。
月見草オイルもこの待宵草の種を絞って採った油のこと。ネイティブアメリカンにとっては皮膚の万能薬(オリーブオイルのようなものか?)として重宝されていたそう。
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