お猿の顔は真っ赤っか サルメンエビネ

(2023/6/18 青森市内)

猿面海老根(さるめんえびね)

ラン科エビネ属/多年草

ラン科の植物の地上茎の根本が球状に肥大するところを偽球茎と呼ぶが、これが、エビの頭を指でつまんで持ち上げたように見えるところから"海老根(えびね)"と呼ばれている花のグループ(エビネ属)がある。
※実際の偽球茎はきちんと見たことがない。
花弁の下側・辱弁と呼ばれる部位が赤みを帯びて猿(ニホンザル)の真っ赤な顔のような海老根(えびね)なので、『猿面海老根(さるめんえびね)』。

辱弁の凸凹した形が、ホントに目鼻口がついた真っ赤な猿の顔のようにも見えるから面白い。

日本では北海道から本州、四国、九州にまで分布し、ブナの森の山奥の落葉樹林の林床に生育する。
花期は初夏。高さ30〜50cm程に伸びた花茎にまだらに一輪ずつ花を咲かせる。
花の型が独特で、上段の萼片・中段の花弁・下段の辱弁に別れて、5枚の花弁の花笠を頭に被ったお猿さんのようでとってもユニーク。
そり返った長く幅広の葉が、根本から2〜4枚ずつ交互に対生して十文字になり、花茎を包み支えているよう。

大変見栄えの良いエビネの仲間は、どうしても観賞用として人の手による盗掘が多く、身近な山々からは数を減らしていると言う。
鑑賞用はしっかり栽培して殖やしたものを使って欲しい。
自然の花は実際に野山に足を運んで出会い、観察し写真に収めて、帰ってからゆっくりと見ながら、自然の景色や空気や音と共に思い出して味わうのが良い。

花言葉(エビネの仲間):誠実/謙虚な恋/気品

0コメント

  • 1000 / 1000