Killing me softly ウツボグサ

(2021/7/23 早池峰山麓)
(2021/7/17 岩木山麓)

空穂草/靭草(うつぼぐさ)

シソ科ウツボグサ属/多年草

“ウツボ”とは漢字で書くと“空穂”又は"靭"。それは一体なんじゃらほい?と言うと、その昔、武器の弓矢を装備する際に何本もの矢をしまうために背や腰ににつけた容れ物のこと。
円筒状の花穂がこの空穂に似ているところから『空穂草/靭草(うつぼぐさ)』。
お魚の鱓(うつぼ)のことではない。

武士(もののふ)を感じる猛々しいネーミングだが、その他様々な別名がある。

“カコソウ・カゴソウ”→夏枯草/漢名・生薬名。夏が進むと花弁が散って残った花穂が褐色に枯れるところから。
その音から転じて別の意味・言われに解されるようになったと思われる…
“カッコウソウ”→郭公草/カッコウの鳴く頃に咲くところから?
“カゴグサ”→籠草?/竹で編んだ筒状の籠に見立てて?…カゴソウも実これか?
“マツカサソウ”→松笠草/松ぼっくり・松笠に見立てて
“コムソグサ”→虚無僧草/籠を頭に被って托鉢する姿に見立てて…籠草の発展系?(九州等)
“ミコノスズ”→巫女の鈴?/棒に先に鈴を円状につけた楽器(京都)
“ヘビノマクラ”→蛇の枕/そのサイズ感から蛇のそれに見立てて(長野) 
と、それぞれにウツボグサの花穂の特徴を捉え、うまく見立てていて面白い。

その他にも、アブラグサ(油草)・クスリグサ(薬草)・ジビョウグサ(治?病草)・チドメグサ(血止草)など、薬草として利用されていたところから来る別名も多い。

里山や山の麓等に生え、夏の暑い最中に赤紫〜紫色の花を咲かせる。私が見かけて写真に撮ったのは山登りの降りの帰り道、麓の日当たりの良い草むらの中。

花言葉:優しく癒す
これは薬草から来た花言葉と思われる。


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